市場の過熱相場とその後の動向

長期投資はシンプルが一番です。私の場合、基本的に株式を3倍になるか、または5年以上保有するつもりで購入します。しかし、もちろん誰も含み損を抱えたいわけではありません。そのため、投資のタイミングが重要になります。

現在の市場を見ると、日経平均株価は史上最高値を突破しようとしています。しかし、一部の銘柄を除き、多くが「言われているほど市場は加熱しているのか?」と思わせるほどの大きな上昇は見られません。

ですが、実際にはこれが長期投資のチャンスが訪れる前触れである可能性があります。この点について、レポートに具体的な例を記載しました。

 

 

市場の過熱相場とその後の動向についての具体的な例を挙げると、過去にはいくつかの顕著なケースがあります。ここで紹介する例は、過去の市場動向を示すものであり、将来の市場の動きを予測するものではありませんが、歴史的な事例から学べる教訓があります。

ドットコムバブル(2000年前後)

過熱相場の特徴:1990年代後半から2000年にかけて、インターネット関連企業の株価が急騰しました。この時期には、実際の収益やビジネスモデルに関係なく、多くのテクノロジー銘柄が異常に高い評価を受けました。

選択性の現れ:この時期には、特定のテクノロジー銘柄が市場を牽引し、他の多くの伝統的な産業や優良銘柄は比較的控えめな評価でした。

市場の調整と暴落:2000年に入ると、投資家はバブルの持続可能性に疑問を持ち始め、市場は調整に入りました。特に、過剰に評価されていたテクノロジー銘柄が大きく下落し、市場全体が調整されました。この過程で、過熱相場に巻き込まれなかった優良銘柄も一時的に価格が下落する場合がありましたが、その後、これらの銘柄は再評価され、回復に向かうことがありました。

 

サブプライムローン危機(2007-2008年)

過熱相場の特徴:2000年代半ば、不動産市場と関連金融商品が過熱しました。この時期には、リスクの高い住宅ローンを担保にした金融商品が投資家に広く販売され、市場全体が過剰な楽観に包まれていました。

市場の調整と暴落:2007年にサブプライムローンのデフォルトが増加し始めると、市場の過熱が露呈しました。これが引き金となり、2008年には金融危機が発生し、幅広い市場で大規模な資産価値の下落が見られました。この危機では、金融セクターだけでなく、多くの優良企業の株価も一時的に大きく下落しました。

長期的な視点サブプライム危機の後、一部の優良銘柄は価値を再評価され、長期的には回復しています。この過程で、価値投資の機会が生まれたとも言われています。

 

これらの事例は、過熱相場とその後の市場調整が特定のセクターや銘柄に限定されず、市場全体に影響を与えることを示しています。また、暴落後には、見過ごされていた優良銘柄が再評価され、長期投資のチャンスが生まれることもあります。

 

〈まとめ〉

ポイントは、“見過ごされていた優良銘柄の再評価”というところです。過熱相場には必ず流行り銘柄というものがあります。そしてそれに追随する”流行り銘柄っぽい”ものが出てきます。そして今度は、社債の乱発なので市場からお金を吸い上げるような現象が起きます(実際にソフトバンクグループか個人向けに社債は5500億分発行すると発表しました)。お祭りはこのようにして豪快に炎を立ち上げます。そして祭りの後という現実が必ずやってきます。

 

例えば過去にあったのが、社債を発行して調達した金は自由に使えるので、マネーゲームのような投資に当てられます。そしてそれが失敗だと確信した時に、暴落が始まります。その暴落は間接的ではありますが、社債の購入者ではない株式投資家が被るのです。

 

記憶ベースで申し訳ないのですが2000年のITバブル時期にこのような事件が起きました。

 

2000年頃にソニーが発行した転換社債についての具体的な事件は、ソニーがテクノロジーとエンターテインメント業界での拡大を目指して資金を調達する一環として転換社債を発行したことを指している可能性があります。転換社債は、特定の条件下で株式に転換できる社債で、投資家にとっては株価の上昇が見込まれる場合に魅力的な投資機会を提供します。しかし、株価が期待通りに上昇しない場合、転換権の行使は魅力を失い、社債の価値は下落します。

2000年は、ドットコムバブルが崩壊し始めた時期にあたり、多くのテクノロジー関連企業の株価が大きく下落しました。この時期にソニーが発行した転換社債も、市場の全般的な下落の影響を受け、社債の価値が下がり、結果として転換権が行使されることで株式が増加し、株価にも圧力がかかった可能性があります。

このような状況は、転換社債のリスクの一面を示しています。転換権の行使価格が株価よりも高い場合、転換権は行使されず、社債はそのまま債権として保有されることが多いです。しかし、市場の下落で株価が転換価格以下になると、転換権の行使によって新たに株式が発行され、既存株主の持ち株価値が希薄化するリスクがあります。

ソニーのケースでは、この時期の市場の動向と、テクノロジー業界全般に対する投資家の見方が、社債の価値と株価の両方に影響を与えた可能性が高いです。

 

具体的な詳細や発行条件、市場の反応については、当時の市場報告やソニーの公式発表など、具体的な資料を参照する必要があります。

 

何れにせよ、長期投資家にとってはチャンスが到来します。次のシンプルなルールを守りましょう。

 

・流行りに乗らない。傍観する

・暴落が起きた際に、つられ下げした通常ではあり得ない安売り状態の優良銘柄に長期投資する

・「バイ・アンド・ホールド・フォーゲット」(Buy and Hold Forget)。買ったことをしばらく忘れる

 

このレポートを読んであなたの資産運用の手助けに少しでもなったらと願います。